前回の記事でわが国政府や民間企業が、朝鮮半島の近代化のために莫大な投資を行ってきたことを書いた。そして敗戦後、わが国はこれらの投資に対する一切の請求権を放棄させられた上に巨額の資金支援を要求されることになったのだが、普通に考えれば、戦勝国でもない韓国がわが国に対して賠償請求できるとは思えないし、また、わが国が朝鮮半島に残した資産の対価を一切請求できないということもおかしなことである。 わが国では、両国の交渉経緯についてはあまり知らされていない現状にあるのだが、その経緯に触れる前に、わが国と民間企業が朝鮮半島にどれくらい投資したのかをまとめておこう。 【日本統治前のソウル 東大門通り】 次のURLに、GHQ資料などを基に産経新聞が試算した、昭和20年8月15日時点でわが国が朝鮮半島に残した資産の推定値が出ている。この記事ではこの記事では891.2億円で、平成13年時点での現在価値として16兆