国民の約10人に1人が分譲マンションで生活している現在、居住者たちは大きな危機に瀕している。老朽化と大規模修繕、管理組合との付き合い、住民の転居と高齢化……。住まいが「ゴーストマンション」に至る危険性を知っているだろうか? ※本記事は一級建築士である小林道雄氏の書籍『分譲マンション危機』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。 築60年マンションにたった1人で住み続けた住人の悲鳴 ◆ゴーストマンション症状の状況に陥ってから住めるのはせいぜい15年~20年 スラム化の状況に陥ってから、どうにか住めるのはせいぜい15年~20年と考えています。その後は住めない。住めても廃墟に住んでいるようなものでしょう。 一例ですが、雑誌『日経アーキテクチュア』に掲載されていたことを紹介します。東京渋谷の某マンションで、建替えが決まり1人を除いて全員が退去されたのですが、居残った1人の区分所有者によれば、配水