樹木周辺に遺骨を埋葬する樹木葬に、国内で初めて環境団体が乗り出した。千葉県内の土砂採石跡地に樹木葬墓地を開設。その運営で得た収益で墓地を森林に再生させることを目指す。自然回帰志向の高まりや都市部の墓不足から注目を集めている樹木葬は、「終活」と自然保護の両立を果たせるのか。 「死んだら自然に返りたい。散骨もいいが、子どもらが『墓参りの場所がなくなる』と反対する。お参りできる樹木葬なら納得してくれるでしょう」 千葉県長南町にある樹木葬墓地「森の墓苑(ぼえん)」で4月に行われた現地説明会に参加したさいたま市の牧野拓弥さん(75)はこう話した。 墓地を運営するのはビオトープの普及や動植物の調査などを行う公益財団法人日本生態系協会(池谷奉文会長)。説明会には60~70代の夫婦らが参加した。 協会によると、墓地を整備した土地は尾根を切り開いた土砂採石跡地で、業者が倒産して放置されていた。周辺に