松本市女鳥羽3で40年以上にわたり、信州大学の学生や外回りのサラリーマンに愛されてきた大衆食堂「食事処和」がこのほど、閉店した。夫婦で店を切り盛りしてきた山内信正さん(79)が7月に胃がんの手術を受けて休業していたが、体力や年齢を踏まえて一つの区切りをつけることにした。昭和の薫り漂う地域の名物店がまた一つ消えた。 信正さんと妻の三生さん(77)が店を営み、鶏の唐揚げとコロッケのA定食、ボリュームたっぷりのチキンカツ定食など、開店当初からほとんど変わらないメニューを提供し続けてきた。消費増税を経ても値上げ幅は極力抑え、休業直前も500~600円台を中心とする「昭和価格」を維持。昼時の店内は常に学生らであふれかえっていた。 秋田県出身の信正さんと南佐久郡川上村出身の三生さんは、東京で調理師として同じ職場で働いていた時に結婚した。昭和48年、三生さんの兄が働く松本で和を開店し、数年後に現在地に移