本来、10兆円くらいあってもおかしくないのに2000億円程度で留まっている市場がある。「寄付市場」である。チャリティ先進国のアメリカと違って、日本では「寄付とは、消費行動のひとつである」という認識があまり浸透していないため、寄付市場もあるべき姿になっていない。マーケティングが足りてないのだ。 日本で寄付が集まらない理由として、税制の問題を挙げる人が多いが、実は「寄付マーケティング」が足りてないことのほうが要因としては大きい、と筆者は考えている。マーケティングが足りてないから、消費文化としての寄付文化が育っておらず、寄付市場も成長してこなかった。 また、寄付が消費行動であるという認識がなかったから、企業も「寄付なんてモノは、自分たちには無関係なもの」としか考えることができず、せいぜい社会貢献活動の中のアイテムのひとつという程度の認識と取り組みしかしてこなかった。そこに未開拓の市場があると