新宿の下落合や(城)下町の人々を中心に、街角の物語を想いにまかせて綴っています。主題は「わたしの落合町誌」。記事の利用については一報いただければ幸いです。無断使用はご遠慮ください。 わたしが15歳まですごした神奈川県の海っぺりでは、北条政子Click!の存在感がきわめて大きい。源頼朝よりも、地元でははるかに“有名人”かもしれない。湘南の中央に平塚という街があるが、政子さん(たぐい稀な存在なので、つい「さん」付けで呼んでしまうクセがある)が死去したとき、巨大な墓塚が築かれたのだけれど、もともと砂丘地帯だったために風化で平らになってしまい、それ以来「平塚」と呼ばれるようになった・・・などという、まことしやかな伝承がある。もちろん、江戸期あたりに作られた出来の悪い付会だろう。政子さんの伝承やエピソードは、学校の授業や資料にもたびたび登場した。それだけ彼女の存在感が神奈川の、ことに南部では大きいの