今回の都知事選には、戸惑いが多い。それがいきなりだったというタイミングの問題はあるにせよ、戸惑いの最大の理由は「細川・小泉」という、過去の最高内閣支持率の記録保持者2名の「最強タッグ」が、「脱原発」というシングル・イシュー(単一争点)を掲げていることにあるようにみえる。 結論から言えば、こうした展開は、個人としても政治学者としても「有り」だと思っている。その訳を説明してみよう。 知事選は「大統領選」 まず、都知事選という首長選挙の特性を知っておくことが必要だ。 日本の自治体が「二元代表制」と呼ばれるように、知事や市長と議会議員はそれぞれ個別に選ばれる。先のエントリ(「都知事」とは何か→ http://politas.jp/articles/8 )で説明されているように、これは議院内閣制のもとでの選挙とは性格をかなり異にする。中でも首長を選ぶ選挙は、語弊を恐れずに言えば、大統領選挙に近い選挙