映画「愛について語るときにイケダの語ること」は、いまはもうこの世にいないひとりの男の最後の願いから始まっている。 その男の名は、池田英彦。彼は四肢軟骨無形成症だった そして、40歳の誕生日目前で彼は、スキルス性胃ガンステージ4と診断される。 死を強く意識した彼は「今までやれなかったことをやりたい」と思い立ち、その想いは性愛へと向かい、自分と女性のセックスをカメラに収める、いわゆる「ハメ撮り」に走っていく。 そして、自らの死をクランクアップとし、それまで映像を自身主演の映画として遺すことを望んだ。 池田氏の「僕が死んだら映画を完成させて、必ず公開してほしい」という遺言を託されたのは、ドラマ「相棒」などを手掛ける脚本家の真野勝成。 20年来の友人であった真野は、「マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画」や「ナイトクルージング」などを発表している友人の映画監督、佐々木誠に映像を託す。 こ