「うちの店は父親が始めました。もう30年ほどやっています」 そう話してくれたのは、シーロムの一角で営業する串焼き屋台に立つ男性。何種類も並ぶ串を焼いているため立ち上る煙は半端なく、質問する私の顔面に容赦なく襲いかかり、望まなくとも”串焼き臭”をまとっていきます。 BTSサラデーン駅を降り、シーロム通りを西へと歩を進めると見えてくるITF Tower。私が来店したのはこのビルの裏手で営業している串焼き屋台『ピチットバーントン ムーピン ナムチムガオヤン』です。 バンコクでは屋台が続々と消えているとはいえ、根付いた屋台文化が早々になくなるはずもなく、いまだ活況を呈している屋台は少なくありません。 『ピチットバーントン ムーピン ナムチムガオヤン』もその1つで、ITF Towerの裏手で煙をもうもうと上げ、周辺で働く人々の胃袋に寄り添っています。 バンコクに串焼き屋台の店は数多く