文=水野 孝彦(日経レストラン) イラスト=蛭子 能収 このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。 ○月×日 午後 小遣い銭稼ぎを狙うクレーマーたち 店にクレームを付けることで、飲食代金を払わないで済ませようというクレーマーが急増している。あわよくば飲食店から金品を巻き上げよう、という不心得者までいる。 ある外食チェーンのお客様窓口の担当者によればこうしたクレーマーは、「感覚的には以前の2倍くらいになっている」という。昨年の12月くらいからの現象で、理由として考えられるのが、現在の深刻な不況だ。 特に悪質で、外相研加盟のチェーンの間で話題になっているのが、ある家族連れのクレーマーのやり口。 ある店で、おとなしそうな店長を「態度が悪い」といった適当な理由で脅し、無料食事券を入手。次に、同じチェーンの別の店で、その無料食