ソウルの繁華街・梨泰院で起きた前代未聞の大惨事。事故当日の10月29日から半月近く経った現在も、現地からはこんな嘆き悲しむ声が聞こえてくる。 「韓国は事故以来、国をあげて静かに喪に服しています。事故はどこでも起こる可能性があるものですが、今回はあまりにも規模が大きすぎる」 「セウォル号の沈没事故(2014年)が起きたときと同等か、それ以上にショックを受けている人が多い。犠牲となったのは若い人たち。亡くなったお子さんたちの親御さんの心情を思うと心が痛い」 法医学分野の博士号を持つ形成外科医の高田女里さんはこの悲劇は決して“対岸の火事”ではないと指摘する。 「特に都心で直下型地震が起きた場合、徒歩で帰宅しようとする人が道路に殺到し、群衆事故が起きる可能性があります。丸の内や新宿、渋谷といったターミナル駅周辺はリスクが高いとされています」(高田さん) 呼吸困難から10秒で失神 今回の事故における