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ブックマーク / brevis.exblog.jp (5)

  • 米国人たちと机を並べてプロジェクトで働いて、最初に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から

    はじめてアメリカ人たちと机を並べて仕事をしたのは、もう20年以上前のことだ。当時わたしは、国際プロジェクト部という部署にうつったばかりで、職種はプロジェクトエンジニア(の見習いのようなもの)だった。プロジェクトエンジニアとは、プロマネの配下で、様々な連絡調整業務を行う役割である。わたし達の業界では、プロジェクト・マネージャーになりたかったら、必ずプロジェクトエンジニアとしての経験を積む必要がある。プロマネへのキャリア・パスの一部であるととともに、一種の下働きであり、わたしはさらにその見習いだったという訳だ。 わたし達は中東における、ある大型プラントの入札見積業務を進めていた。自社が単独で応札するにはリスクが大きすぎるため、米国の同業であるX社との共同プロジェクトの体制をつくって、仕事に臨んだのだ。我々の業界では、大型案件の入札見積となると、それ自体が6ヶ月〜1年近くの期間を要し、費

    米国人たちと机を並べてプロジェクトで働いて、最初に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 下請け型受注生産という日本的形態を考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、小さなパン屋の社長さんだ。町の商店街に店をかまえ、店の奥には小さいながらパン焼き工場(こうば)に職人も抱えている。店の売り場は、親族が受け持つ。実はあなたは少し前まで、都会でエンジニアをしていたのだが、やむを得ない事情で、郷里のパン屋を引き継ぐことになったのだ。 店を引き継いだ時は、赤字経営だと税理士さんから聞かされた。御多分に洩れず、地方都市の商店街は地盤沈下で客足が遠のき、売上の柱だった小中学校の給パンも、少子化で減っていた。パン作りについては素人で何の知識もないが、ただ、あなたは一応、会社勤めで得たビジネス・センスを、多少は持っている。何とか頑張って、店や雇い人たちを盛り立て、まだ経営は低空飛行ながら、ようやく収支トントンのところまで持ち直した。 そんなあなたのところに、面白そうな商談が舞い込んできた。その地方のチェーンストアの店舗に、サンドイッチを納めないか、というのだ

    下請け型受注生産という日本的形態を考える | タイム・コンサルタントの日誌から
  • アカウンタビリティとは「命令責任」である | タイム・コンサルタントの日誌から

    「RACIチャート」というものをはじめて知ったのは、90年代半ばのことだ。当時使っていたアメリカのERPコンサルタント会社が、要件定義段階での役割分担をRACIチャートの形にまとめてきて、なるほど、こういう整理の仕方があるのかと知った次第だ。ついでにいうと、「サプライチェーン」という言葉も、同じ時にはじめてきいたのだった。まだ日ではほとんど知る人のいない概念だった。 RACIチャートとは、業務の上での役割分担と責任範囲(Role and Responsibility)を、分かりやすく整理するための表である。ふつう横軸の欄には、関係者や部門の名前が並び、縦の行には業務を構成するアクティビティが続く。そして、どのアクティビティは誰がどのような役割で関わり、責任はどこが持つかを書く。このとき、

    アカウンタビリティとは「命令責任」である | タイム・コンサルタントの日誌から
  • トラブル原因分析を、責任追及の場にしてはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から

    新製品の出荷を2ヶ月後に控え、新しい製造ラインの試運転前調整に入っていたある日、工務部門の担当者であるあなたのところに、ライン設置工事を請け負っていたエンジニアリング会社のプロマネから、とんでもない知らせが舞い込んできた。その会社の技術者が機械の操作ミスをしたらしく、製造機械の一部が破損してしまったというのだ。さっそく現場に飛んでいって様子を見てみる。残念ながら機械カバーがねじ曲がり、内部もダメージを受けている。幸い、人がけがをするようなタイプの破損ではないので、労働災害はなかったが、明らかに修理・再製作が必要だ。 エンジ会社のプロマネは装置のメーカー技術者を呼んで調べさせたが、いったんラインから取り外して、自社の工場に持ち帰る必要があるという。まずいことに、その装置はラインの中核近くにあり、周囲の機械設備をとりはずさないと動かせない。あなたは搬出と再製作にどれくらい時間がかかりそうかたず

    トラブル原因分析を、責任追及の場にしてはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクトは失敗するものである、という英国人の思想 | タイム・コンサルタントの日誌から

    1993年3月、ロンドン証券取引所は、ビッグバンを背景に7年にわたって進めてきた、株式取引決済システム「トーラス」開発プロジェクトの中止を発表した。証券取引所はすでにこの事業に8000万ポンドの費用を投じており、人件費を含むシティ(ロンドン金融街)全体の投下コストは、総額5億ポンドに上っていた。証券取引所のP・ローリンズ理事長は、責任をとって辞任する。 「トーラス」は、株式売買のバックオフィス業務である株式決済処理の電子化・効率化を目的とした、英国金融界の共同事業で、中心的な推進役はロンドン証券取引所であった。トーラスは米国のパッケージソフト「ヴィスタ」をベースに開発されることになっており、来ならば、'91年10月に稼働しているはずだった。それは一度、'92年夏に延期されていた。しかし、中止決定時点では'93年中の稼働すら危ぶまれる状況だった。 ちなみにこのプロジェクトは、ローリンズ理事

    プロジェクトは失敗するものである、という英国人の思想 | タイム・コンサルタントの日誌から
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