高級食材の代表格であるフグをめぐり、有毒部位が不明な「雑種フグ」が増えている。温暖化で生息域が変わったことによる異種交配が要因とみられ、漁獲地域も変化。種類不明のフグは市場や調理者が排除しているが、見た目が従来種と酷似したものも見つかっている。フグを選別する調理者の資格基準は自治体で異なっており、鍋シーズンを迎える中、関係者からは「食中毒などの事故が起きかねない」として国や自治体に対応を求める声が上がる。(今村義丈) 温暖化の影響 「フグの雑種は以前からいたが、これほど大規模に出ているのは魚類全体でも異例だ」 雑種増加を突き止めた高橋洋・水産大学校准教授はこう指摘する。 高橋准教授が平成24~26年に茨城、福島、岩手の3県の太平洋沖で漁獲された種類不明のフグ252匹のDNA型を調べたところ、半数以上の149匹が雑種と判明。主に太平洋に生息するショウサイフグと、日本海に多いゴマフグが掛け合わ