自民党都連には、石原伸晃都連会長をしのぐ実力者がいる。幹事長の内田茂前都議(73)である。前職で身分がないのに、自民党の都連を牛耳る。それが実力者の証であり、「都連のドン」の異名を取る。 生まれも育ちも千代田区。千代田区議を4期、千代田区選出の都議を5期務めた。千代田区には、永田町(政)と霞が関(官)と丸の内(業)がある。「政官業」の中心に位置する地域の行政を、長年、束ねてきたことが、この人を知られざる実力者にした。 自民党だけでなく公明党にも太いパイプを有し、議会を操る内田氏には、剛腕の石原慎太郎前都知事も敵わなかった。 「泣いて馬謖を斬る」 05年の都議会で、石原氏の「側近中の側近」といわれた浜渦武生副知事が、民主党都議を利用した「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。 この時、追及の急先鋒に立ったのが、当時、都議会議