朴槿恵(パク・クネ)大統領が条件付きの辞意を表明し、政局の混迷が深まる韓国で、在韓米軍が韓国に愛想を尽かしかねない事態が起こった。米軍に納入するはずの燃料を安価な別物にすり替えて売り飛ばし、差額約60億ウォン(約6億円)を横領していた業者が検挙されたのだ。その数44人。北朝鮮の核兵器開発が進む中、米韓の連携は必至なだけに米国防総省(ペンタゴン)も事態を重視している。(岡田敏彦) 韓国テレビ・KBSニュース(電子版)によると、犯行が明らかになったのは23日。検挙されたのは44人で、うち27人は拘束されたという。その「だましのテクニック」は大胆だった。 容疑者らは貯油所でタンク車に、米軍の注文通りの軽油を満載する。このタンク車には衛星利用測位システム(GPS)の発信器が付けられていて、途中で寄り道などすれば記録に残るシステムになっている。そこで容疑者らはこのGPS発信器を取り外し、別の車両