Just In Time (JIT)は、「必要な時に間に合うように部品をタイムリーに供給することで、製造過程での部品在庫を可能な限り少なくする」という手法を示す、トヨタ生産システム(TPS)の要の方法論だ。 では、この考え方を設計工程に適用できないだろうか。「設計工程における情報受け渡しの自動化」と言ってしまえばそれだけのことなのだけれど、ここでは、JITにおける”部品”を”設計データ”と置き換えて考えてみよう。そうすると、前述の文章は、以下のようになる。 「必要な時に間に合うように”設計データ”をタイムリーに供給することで、”設計”過程での”設計データ”在庫を可能な限り少なくする」 どうだろう、とても深い意味を持つように感じられないだろうか。 普通、データとは、蓄積するもの・保存するものという暗黙的な感覚を持っているにちがいない。確かに使われなくなって、過去のものとなったデータはほとんど