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2018年10月11日のブックマーク (6件)

  • なぜ日本の演劇は「大げさ」「わざとらしい」と感じるのか(平田 オリザ)

    「リアル」な芝居を解明する 『演劇入門』というのは、いま考えても背筋が寒くなるほど不遜な書名であった。 私が調べたところでは、同じ書名のは、過去に3冊出ていて、いずれも新劇界の重鎮千田是也氏と岸田國士氏と福田恆存氏の手によるものである。 私の『演劇入門』の方は、当初、自分の心づもりでは、『リアルのメカニズム』という題名になるはずで、実際、そのような目論見で原稿を書き進めた。内容の過半は、自分の劇団の中で開発していた、集団で戯曲創作を行うためのプログラムをまとめたものである。 ところが、初稿が上がった段階で編集者から、書名を『演劇入門』としたいという申し入れがあった。 当時35歳の私は、もちろん戸惑い、できればそれは避けたいと答えた。『演劇入門』という書名は、あまりに大仰で、いまどきの表現を使うなら「上から目線」に思えたし、なによりこのは、演劇全般の入門書のつもりで書いたわけではなかった

    なぜ日本の演劇は「大げさ」「わざとらしい」と感じるのか(平田 オリザ)
  • 未完成であることが完成した姿、という小説もある(吉田 篤弘) | 現代新書 | 講談社(1/2)

    吉田篤弘さんの新刊『おるもすと』の特設サイトはこちらから⇒http://news.kodansha.co.jp/6756 「何だろう、これは」 いまから十五年ほど前のことです──。 執筆用のノートを整理していたとき、ある一冊のノートのうしろの方に、書いた覚えのない小説を見つけました。 ぼくはいつも小説をノートに手で書いています。小説に限らず、いま書いているこの文章もノートに書いています。 ですが、書いている途中で、ふと別の小説を書きたくなるときがあり、そういうときは──誰が見ているわけでもないのですが──なんとなく、こそこそとノートのうしろの方に書く慣わしになっています。 これは学生時代の名残りで、授業中にノートをとるふりをして、うしろの方のページに小説を書いていたのでした。 「何だろう、これは」 書いた覚えのないその小説は、まるで自分ではない別の誰かが書いたようで、それゆえ、つい引き込ま

    未完成であることが完成した姿、という小説もある(吉田 篤弘) | 現代新書 | 講談社(1/2)
  • 日本初「演劇を学ぶ国公立学校」案が発表。日本って欧米の演劇教育と違うの?|河野桃子|note

    演劇・ダンスを学べる国公立専門職大学の創設案と、学長候補者は平田オリザさんであることが発表されました。演劇関係ではけっこうなニュースです。(正確には「県立の専門職大学」です。いろんなニュース見出しにより「国立の大学」だと勘違いしそうですが、違います) せっかくなので、「なんで国公立に演劇コースがあったほうがいいのか」「どういう学校になる可能性があるのか」を、ざっとですが眠れぬ夜に書いてみました。おかげでもう朝だよ。 まず、この『演劇やダンスを学べる国公立機関が初の創設』というニュース。これまでもいろんな人がいろんな場所で「私立だけでなく国公立で演劇を学べるようにならんかー」と言ってきましたが、兵庫県豊岡市に作られる県立の専門職大学で演劇のカリキュラムもあるとのことで、ついに形になる……!と話題です。今回、この構想は、実現に向けて動かれていた豊岡市や市長の尽力があったからだと思います。 まぁ

    日本初「演劇を学ぶ国公立学校」案が発表。日本って欧米の演劇教育と違うの?|河野桃子|note
    shimomurayoshiko
    shimomurayoshiko 2018/10/11
    国際観光芸術専門職大学。2021年予定。/「正確には「県立の専門職大学」です。いろんなニュース見出しにより「国立の大学」だと勘違いしそうですが、違います」
  • 第三四回 太宰治賞 贈呈式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

  • ポル・ポト政権下のカンボジアと、物語論の接続を試みた野心作 小川哲「ゲームの王国」感想 - うさるの厨二病な読書日記

    小川哲「ゲームの王国」を読み終わった。 ゲームの王国 上 posted with ヨメレバ 小川 哲 早川書房 2017-08-24 Amazon Kindle このはとても不思議なだ。公式のジャンルはSFなのだが「どういうか?」と言われるとひと口では説明ができない。 レビューを見ると上卷と下卷の評価に落差がある。 上卷の主筋と下巻の主筋がかけ離れているので、「上卷が面白いと思ったのに、下巻でがっかりした」という感想も多い。話も五十年くらい飛んでいるのでついていきづらいし、上卷で語られた物語の結末が下巻、というわけでもないので、何だかスッキリしないという意見も分かる。 「ゲームの王国」あらすじ サロト・サル(ポル・ポト)の隠し子であるソリヤは、優しい養い親に育てられた。しかし両親は共産党員と疑われ、苛酷な取り調べの末に殺されてしまう。 ソリヤが流転の末に神童ムイタックやその兄ティウン

    ポル・ポト政権下のカンボジアと、物語論の接続を試みた野心作 小川哲「ゲームの王国」感想 - うさるの厨二病な読書日記
  • 社会の中で生きられない人間は、殺されて当然の虫なのか?? 雨森零「月の裏まで走っていけた」 - うさるの厨二病な読書日記

    十七、八のころ、一度だけ読んでずっと心に残っていた物語。 作者の雨森零は二十四歳のときに「首飾り」で第31回文藝賞をとり、その二年後に作を書いた。 そしてそれ以後、表舞台では何も書いていない。 この作品を最後に、どこかに消えてしまった。 この物語は大部分がメタファーでできており、一読しただけでは意味がとりにくい部分が多い。 物語全体の解釈や分析も含めて、感想を語りたい。 ここに書かれているのは、自分独自の解釈であり、これが唯一絶対の正しいものというわけではない。物語というのは、読み手の数だけ解釈があると思う。 「月の裏まで走っていけた」あらすじ 「月の裏まで走っていけた」の構造と分析 「月の裏まで走っていけた」の構造 なぜ、Q、R、Pはアルファベットで表記されるのか? ピラミッドとは何なのか?? ジェナの兄が描いた砂漠の絵の中に、Qだけが「ピラミッドが描いてある」というのは何故なのか??

    社会の中で生きられない人間は、殺されて当然の虫なのか?? 雨森零「月の裏まで走っていけた」 - うさるの厨二病な読書日記