「次に読む本へのみちしるべ」というコンセプトで連載を続けてきた『読書標識』。1年間にわたり毎週2本更新でお送りしてきましたが、今回で最後となります。 今回の書き手は、作家の岩倉文也さん。ご紹介していただくのは、萬屋直人『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(電撃文庫)です。 書き手:岩倉文也 詩人。1998年福島生まれ。2017年、毎日歌壇賞の最優秀作品に選出。2018年「ユリイカの新人」受賞。また、同年『詩と思想』読者投稿欄最優秀作品にも選出される。代表作に『傾いた夜空の下で』(青土社)、『あの夏ぼくは天使を見た』(KADOKAWA)等。 Twitter:@fumiya_iwakura なぜ人は世界の果てを目指すのだろう。ぼくはよく疑問に思う。 当然、世界に果てなどないはずだ。なぜなら地球は丸いのだから。 それでも人は世界の果てを目指した。世界の果てを目指す数多の少年少女たちを物語に描