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ブックマーク / sniper.jp (4)

  • BOOKレビュー『夢、ゆきかひて』(白水社) 著者=フィリップ・フォレスト - WEBスナイパー

    漱石、中也、小林秀雄から大江健三郎、写真家畠山直哉まで、独自の美学を育んできた日をフランス気鋭の批評家・小説家が見つめ返す――。「取り違えの美しさ」を読解の鍵とする、豊穣で刺激的な日論。 白水社から出版された『夢、ゆきかひて』は、フランス人作家・批評家のフィリップ・フォレストが書いた日(文学)論の訳書である。直接日語で書かれたわけではないが、著者の意図が相当忖度されたと思われる翻訳書を見て読者が思うのは、まずもって、テクストに溢れる日的情緒のノスタルジックな存在感であるだろう。たとえば「日で、雪を再発見した。雪は、桜が開花してまもない都内のそこかしこの公園に、わけもなく降っていた」(100頁)などという文章には、小林秀雄の随筆を彷彿とさせるような気分が纏わっているし、実際、小林秀雄は書においても重要な人物として扱われる。その重要性はノスタルジーと関連しており、それは書のテー

  • 特集「大人の学究へ向けて」:ライトノベルのどくしょかんそうぶん 文=村上裕一 - WEBスナイパー

    ライトノベルのどくしょかんそうぶん 文=村上裕一 今年の夏の特別企画はWEBスナイパーの豪華著者陣による、大人の研鑽に必要な名作・傑作のプレゼン祭り! 夏休みのまとまった時間に改めて、あるいはもう一度触れておきたい作品群をジャンル不問で紹介していただきます。第一弾は、批評家・村上裕一さんが若き日に鮮烈な印象を受け、深く読み込んだライトノベル四作を挙げてその魅力をたっぷりと紹介。今も氏を魅了してやまないという、思い出の作品たちに愛を込めて――。 小学生の頃、夏休みと冬休みには読書感想文が課されていて、たかだか二枚の原稿用紙を埋めるために、夏休みの終わりの8月20日前後は毎年四苦八苦していたものだった。文筆業をするようになった今となっては不思議な話だが、当時僕は読書感想文というやつが嫌いだった。というか今でも嫌いである。何を書けばいいのか分からなかったからだ。実際何を書いていたのだろうか。そも

  • さやわか × 村上裕一 対談:『僕たちのゲーム史(星海社新書)』をめぐって【前編】 - WEBスナイパー

    昨年、星海社新書より上梓された『僕たちのゲーム史』。膨大な史料と明快な論旨からゲーム歴史を読み解く書をめぐり、著者であるさやわかさんと批評家の村上裕一さんによって行なわれた対談を前後編でお届けいたします。執筆にあたり著者として臨んだ態度、ゲーム史におけるパチンコの位置づけ、拡大していくゲームの枠組みなど話題は多岐にわたります。大変ボリュームのある対談となっていますので、どうぞゆっくりお楽しみください。 さ 星海社新書から出させていただきました『僕たちのゲーム史』は、実はかなりいろんな意図を込めて書いたところがあります。その一つは、やはり普通のゲーム史、もしくはゲームの議論と、東浩紀さんが2007年に提示した「ゲーム的リアリズム」という概念をスムーズに接続することでした。それによって、おそらく今日のポップカルチャー批評の俎上に上がる他ジャンルとゲームを、同じ視点から語ることができるように

  • ヴァニラ画廊『蹂躙史エピトマイザ』―ある幻想の娼館― 沙村広明×森馨 展覧会開催!! - WEBスナイパー

    漫画『無限の住人』(講談社)の著者として広く知られ、またSMマニアの間では凄絶な責め絵画集『ひとでなしの恋』(一水社)をものした人物としても知られる絵師・沙村広明と、秘めたエロスを滲ませずにはおかない独特の球体関節人形を作り続けている作家・森馨。そんな二人が「人より多く穿たれた穴」を持つ少女をテーマに、一つの世界をコラボレーションしたら……。春近い銀座で妖美の宴が幕を開けます。 これは、この世の物語に非ず。 人より多く穿たれた穴のために蹂躙される女たち。形骸の檻に残された少女達の静かな叫び。 これは、何処か遠く、或いは見えぬほど近くにある秘めやかな悲劇。 ただ二人の目撃者が、その全てを要約する。 産門が腹部にある、少女の姿をした地球外生物… その設定から、漫画家・沙村広明と人形作家・森馨が紡ぎだす、とある未来のとある娼館の物語。 哀憐の美の極北に立つ二人の作家のコラボレーションがヴァニラ画

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