雨が降ると地面が凍えたように青くなる季節になった。わたしは冬に鍋をするのが好きだが、それ以上にアイスクリームを食べるのが好きだ。寒い冬にあえてもっと寒いことをするのが好きなのである。 というわけで、寒い土地の冬を描いた海外文学リストである。セレクトのテーマは「冬の厳しさと美しさ」(このテーマで選ぶと、なぜかロシアが入らなかった)。ぬくぬくとした部屋で、スープをすすりながら、のんべんだらりと読みたい(2019年1月更新)。 カナダ、ケープ・ブレトン島の厳冬を描く。透きとおるように寒い、流氷のような世界と、人間の悲哀と誇りが結晶のようにきらめく。本当にどれもよくて参る。 デンマーク文学。掟と抑圧に抗おうとする人たちの物語。冬の終わりのヴィジョンが鮮烈な「ペーターとローサ」のラスト1ページがすさまじいので、まずはこれだけでも読んでほしい。 アメリカのシカゴに住む移民たちの短編集。「冬のショパン」