「歴史的偉業」、「世紀の大番狂わせ」、「岡崎、プレミアの優勝メンバーへ」。 テレビ、新聞、雑誌、ウェッブサイト。どのメディアでも、レスター・シティの優勝と岡崎慎司が今も大々的に取り上げられている。 興奮する気持ちはよく理解できる。1992年のプレミアリーグ創設以来、リバプールでさえも為し遂げられていない優勝を、あのレスターが達成したのである。ましてや日本人選手が中軸にいたとなれば、熱狂するなというほうが不自然だろう。 ただし個人的には、レスターの優勝が持つ歴史的な意義は、日本で理解されている以上に大きい気がしている。 最初の要因は、マネーの問題だ。 レスターの優勝に関しては、選手の補強予算の少なさから「小兵が巨人を倒した」という説明がよくなされる。もちろん間違いではないが、この説明では全体の文脈を把握しきれない。今シーズンのレスターが覆したのは、個々のビッグクラブというよりも、むしろビッグ