NTTデータビジネスコンサルティング 酒井幸良,照井栄介 前回の最後に触れた通り,かつてCRM(Customer Relationship Management)の8割が失敗に終わった原因は,CRMの本質を十分に理解していなかったためである。CRMはシステムの導入だけを目的とした活動でもなければ,特定の部門,特定のチャネルに対してのみ限定的に取り組むものでもない。さらに,場当たり的に目先のことだけを解決する改善活動でもない。CRMとは,「組織的」で「継続的」な取り組みにほかならず,最終的には「人の意識を変える」取り組みだと言える。 では,「組織的,継続的にCRMに取り組む」とは,具体的にはどういうことだろうか。それは,(1)顧客をよく理解し,(2)売り物を仕立て,(3)上手に売る場や接点を作り,(4)人の意識を合わせ,(5)関係会社や業者と力を合わせる,といった一連の活動を,いつでも・状況