「アメリカの農薬会社・モンサント(2018年にドイツの製薬会社・バイエルが買収)の主力除草剤・ラウンドアップ(有効成分はグリホサート)が原因でガンを発症した」と、カリフォルニア州の夫婦が賠償を求めた裁判で、州裁判所の陪審は同社に対して日本円に換算して約2200億円の支払いを命ずる評決をくだした。農薬会社では「ラウンドアップの安全性は証明されている」と主張し、控訴している。 2019年10月21日、東京で「ラウンドアップ問題を考える」というセミナーが開催された。サブタイトルに「農薬の安全性とラウンドアップの風評被害」とあるように、どちらかというと農薬の安全性を主張する立場からの情報発信だが、取材結果を可能な限り冷静に伝えたい。 ■ラウンドアップは使い勝手抜群の除草剤 まず、ラウンドアップとはどういう農薬なのかを見てみよう。 ラウンドアップは1974年にモンサント社が発売した農薬で、除草効果が