第2次世界大戦が終結して半年後、アメリカで発売された写真週刊誌『LIFE』(1946年2月4日号)が一大センセーションを巻き起こしました。 そこには、笑顔でほほえむ昭和天皇一家の写真が、5ページにわたって掲載されていたからです。 昭和天皇の写真といえば、それまでは軍服姿のいかめしいものばかりでした。しかし、このとき公開された写真には、リンカーンの銅像を飾り、イギリスとアメリカの英字新聞を熱心に読む「普段着」の姿が写っていました(上の写真)。この写真が、天皇制の解体論議に大きな影響を与えたのです。 カメラマンの名前は公表されていませんが、天皇一家が暗殺を恐れたため、アメリカ人ではなく、日本のサン・ニュース・フォトスの日本人カメラマンが選ばれました。そのせいもあり、かなりくだけた一家の様子が記録されています。 一家の写真が撮影されたのは、皇居内の「御文庫」と呼ばれる小さな建物の周辺です。一見洋