映画評というものは好き嫌いだけを書けばいいというものではないし好き嫌いだけが書いてあっても読んでいて面白いものではないけれども、その評がその映画を好きな人が書いているのかそうでもない人が書いているのかということはかなり重要な情報ではある。好きだからこそ批判しているということが分かれば読みようもあるし、嫌いだけど一生懸命ほめているならそれもまたそういうものかと思える。まあそれは立場を明らかにするということで、そういう立場から見たらこう見えるのかということは自分とは違う見方を発見することであり、映画を見る見方が広がるとともにもっと大きなものの見方にもつながっていくことだ。もちろんそれは映画に対する評だけでなく、書評やマンガ評、ないしは政治に対する評価でも同じことだ。 逆に言えば好き嫌いという立場を表明することはその立場に立つ自分というものを引き受けるわけであり、特に「みんな=多くの人」が好きだ