blog.practicalethics.ox.ac.uk Practical Ethicsに掲載された、倫理学者のジュリアン・サバレスキュ(Julian Savulescu)の記事。レクチャーとして口頭で発表した内容の書き下し文?であるようだ。英語圏の倫理学ではいわゆる「トロッコ問題」についてよく研究されているようで、Trolleyology(トロッコ学)というジャンルも出来ているくらいなのだが、それに関係する話題である。 「フランシス・カムのトロッコ問題、殺すことと死ぬに任せることとの間に道徳的な違いはあるのか?」 by ジュリアン・サバレスキュ 哲学者のフランシス・カム(Frances Kamm)は、一連の著作で、5人の無実の人間を救うためには1人の無実の人間を殺さなければならない、という条件がある万華鏡のように多彩な状況を検討した。一部の状況では5人を救うために1人を殺すことは認め