新井英樹の連載デビュー作『宮本か ら君へ』(太田出版/ 各1,554円・ 税込)。1991年から94年まで「週 刊モーニング」(講談社)で連載。 不器用で熱い新米営業マン・宮本浩 のあがき続ける日々が描かれている。 童貞の絶望と希望を描いた傑作ドキュメンタリー『童貞。をプロデュース』の監督・松江哲明。ディープなマンガ読みとしても知られる彼が、愛してやまないマンガたちを大いに語る──。 かれこれ3年くらい前から「映画化したいマンガは?」と聞かれたら、速攻で『宮本から君へ』と答えている。そんな時、目の前にいるプロデューサー、もしくは取材者は一瞬止まって「はぁ」としか答えてくれないのだが、そのリアクションが原作を知らないからなのか、「無謀だろ」という意味なのかはわからない。 そりゃ僕だって冷たい海に裸に入る宮本を、拓馬と宮本との対決を、靖子と宮本とのセックスを「そのまま」描けるなんて思っちゃいな