社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 『日本の賃金を歴史から考える』を書くにあたって、組合の皆さんを前に、今、組合というと、世間の人はユニオンのようなものをイメージするけれども、労働組合はその中心に技能を持つ人たちがいるということこそが交渉力の源泉になっているのだから、そのことを訴えていきたいということを話した。組合の中心で働いている人たちにとっては当たり前のことだと思う。あれから、5,6年経って、今年になって初めて社会政策の講義の中で、新しい労使関係の教え方をしてみた。もちろん、異論もあると思うが、とりあえずそのときの話の一端をここで再現しておきたいと思う。 今回、組合の交渉には二つの種類があると大雑把に分けてみた。一つは、反福祉状態の回復。多くの場合、こちらがスポットライト