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ブックマーク / atomica.jaea.go.jp (3)

  • 線量率と生物学的効果 (09-02-02-14) - ATOMICA -

    <概要> 放射線の生物学的効果は、同一の吸収線量であっても放射線の種類や線量率によって異なる。高線量率で短時間に照射したときに得られる生物効果に比べて、線量率を下げて時間をかけて照射すると生物効果は減弱する。これを線量率効果という。このとき、同じ効果を得るのに要する線量の逆比を線量・線量率効果係数(DDREF)という。また、線量、線量率は同一でも小線量に分け間隔をあけて分割照射すると生物効果は減弱する。このような効果は照射中や照射後におこる細胞の回復によると考えられている。また、標的の大きさとトラック数の関係を考慮したマイクロドシメトリー的な考察では線量効果は線量レベルによって異なる。 <更新年月> 2002年10月 <文> 1.線量率と生物学的効果 放射線の生物学的効果で問題となるのは放射線が生体構成物質に吸収されたエネルギーの量(吸収線量)と、単位時間当りの吸収線量(線量率)であるが

  • ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -

    <概要> ICRP(国際放射線防護委員会)による線量限度は、個人が様々な線源から受ける実効線量を総量で制限するための基準として設定されている。線量限度の具体的数値は、確定的影響を防止するとともに、確率的影響を合理的に達成できる限り小さくするという考え方に沿って設定されている。水晶体、皮膚等の特定の組織については、確定的影響の防止の観点から、それぞれのしきい値を基準にして線量限度が決められている。がん、遺伝的疾患の誘発等の確率的影響に関しては、放射線作業者の場合、容認できないリスクレベルの下限値に相当する線量限度と年あたり20mSv(生涯線量1Sv)と見積もっている。公衆に関しては、低線量生涯被ばくによる年齢別死亡リスクの推定結果、並びにラドン被ばくを除く自然放射線による年間の被ばく線量1mSvを考慮し、実効線量1mSv/年を線量限度として勧告している。 <更新年月> 2012年02月   

  • 乳幼児の死亡率に関するスターングラスの説 (09-02-07-04) - ATOMICA -

    <概要> E.J.スターングラス博士は、低線量放射線の健康への影響がICRP報告書等で述べられている見積りよりも大きく、かつ、極低線量域では線量率が低い方が放射線の効果が大きいこと特に乳幼児に対するリスクは高く、核実験フォールアウトやTMI事故により放出された放射能によって乳幼児の死亡率が上がり、またそれらの放射能による胎児期の被曝によって青少年の知能低下が生じた、等と主張した(1960〜1970年代)。これらの仮説について米国科学アカデミー委員会(1982年)等は「乳児死亡率の増加は疫学的に確証されない。極低線量域の効果についてはその理論的根拠となった試験管内実験による細胞膜への影響は科学的に認められるが、細胞膜損傷と発病や自己免疫疾患との関係は確立されておらず、また多数の実験結果は低線量、低線量率で発がん誘発率が高くなるという仮説を支持していないので、更に研究が必要である」としている。

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