オーストラリアのRMIT大学の研究チームは、現在のシリコンベースのトランジスタに替わる新しいデバイスとして、電界放出型「金属-空気トランジスタ」を開発した。集積度の限界に近づきつつあるトランジスタ技術をあと20年は延ばせる可能性があり、研究成果は2018年11月16日付けの『Nano Letters』に掲載されている。 半導体の集積度には、2年ごとに倍増するという「ムーアの法則」がある。プロセスの微細化が進むにつれ、現在の技術は物理的な限界に近づいており、その終焉は2025年にやってくるとも言われている。 研究チームは、従来のシリコンベースの半導体ではなく、金属ベースの空気チャネルトランジスタ(ACT)を開発した。ソース電極とドレイン電極は平面構造で先端を尖らせ、向かい合うように対称的に配置。両者の間には35nm以下のエアギャップを設けて、空気チャネルとした。このギャップは空気中の電子の平