ある日の夜。ちきりんは新大阪から東京にむけての新幹線に乗り込んだ。東京までいく今日の最後の新幹線だ。乗客はサラリーマンが多い。さすがにみんな疲れた顔をしている。ちきりんも疲れている。 多くがビールを飲むか、眠りこけている。話している人はすごく少ない。昼間ならパソコンで仕事している人もいるのだが、さすがに最後の東京行き。空気がどんよりしている。 ちきりんも乗り込んですぐにうたた寝を始めた。ぐったりしていた。 と、近くから「すみません、起きてください。すみません!」という大きな声が聞こえた。ちきりんもはっと目が覚めたが、ちきりんだけではなく、その席の周りの人が数名不機嫌そうな顔で眠りから目覚めた。 話しかけられているのはちきりんではなかった。ちきりんの斜め前の席、三人席の通路側に座ったおじさんだった。(ちきりんはひとつ後ろの列の二人席窓側に座っていた。) そのおじさんはすっかり赤い顔でぐーぐー