ブックマーク / number.bunshun.jp (7)

  • 映画以上に劇的なシアトルでのHR。イチローは2023年に帰ってくる!?(笹田幸嗣)

    誰もが勝手な思いをめぐらせていた。 “おそらく、これが……イチローにとってこの球場で現役最後の打席になるだろう……” 2017年4月19日、シアトル、セーフコフィールド。6点ビハインドの9回先頭でイチローが打席に向かった。 平日のデーゲームながら、先着2万人に配られたイチローの首振り人形欲しさに、前夜より1万1000人以上も増えたファンが集ったスタジアム。総勢2万7147人のファンが全員総立ちで背番号51に拍手を送っていた。 鳴り止まぬ歓声。その初球。 初対戦の右腕マーシャルが投じた93マイル(約150キロ)の真ん中高めの速球を強振すると場内には「グシャッ」という鈍い音が響いた。右翼手のハニガーはフェンスに向かい背走して行く。 「え? え? え?」 思いのほか伸びる打球に驚きを隠せないでいる日人記者の声が確かに聞こえた。それでも低い弾道の一撃が右翼席最前列に吸い込まれる。 ボルテージは最

    映画以上に劇的なシアトルでのHR。イチローは2023年に帰ってくる!?(笹田幸嗣)
  • 原口元気は、ここから更に速くなる。2年間で作り上げた「壊れない体」。(ミムラユウスケ)

    代表では、フィジカルと運動量を買われて中盤の底で起用されることが多い原口元気。その位置からでも、引いた相手にドリブルは効果を発揮するはずだ。 1-2で敗れたUAE戦の翌日、試合に出なかった選手たちは炎天下のなかで練習を行っていた。 前日の試合でスタメンではなかった選手、怪我のために別メニューとなった柏木陽介をのぞく、フィールドプレーヤーは10人。5対5の練習となった。4バックと1人のボランチがいる守備のチームと、2トップに左右のMFと、トップ下とボランチの中間のようなポジションに原口元気のいる攻撃のチームとに分かれていた。 2トップに入った選手たちがペナルティエリアでは1タッチまでと限定されていたこともあり、必然的に原口は前後左右に走り回ることになった。得意ではないパスでサイドのMFを走らせる場面もあった。 メニューが終わると、走り回っていた原口がピッチに倒れ込む。すべてを出し切った感じだ

    原口元気は、ここから更に速くなる。2年間で作り上げた「壊れない体」。(ミムラユウスケ)
  • 過去のデータを覆し続けるイチロー。42歳で果たした「V字回復」の裏側。(生島淳)

    Amazing! 今季のイチローの活躍ぶりを表現するには、この言葉がぴったりだ。42歳でこれだけの打撃技術を見せ、ヒットを量産したメジャーリーガーは記憶にない。 開幕前、所属するマーリンズはイェリッチ、オスーナ、スタントンの3人の外野手を「コア」に据える方針が決まっており、イチローのポジションは極めて不安定だったが、シーズンが進むにつれて出番が増えている。月別の成績を見てみよう。 4月 30打数  10安打 5月 57打数  18安打 6月 68打数  25安打(6月29日まで) 最近では6月29日のタイガース戦のように、インターリーグの試合であればDHで起用されることは既定路線になっており、イチローは実力でポジションを取ったと言っていい。 3000安打はカウントダウンに入っているが、オールスター前に達成するかどうかがひとつのポイントになる。 そしてこのままの調子を維持できれば、来年の契約

    過去のデータを覆し続けるイチロー。42歳で果たした「V字回復」の裏側。(生島淳)
  • 清武弘嗣は「代表の中心」になるか。過去最高のしゃべりとチーム意識。(ミムラユウスケ)

    ブンデスリーガでは2度の降格を体験したが、攻撃的なチームが合うとかねがね言われていた清武弘嗣。新天地でどんな成長を見せてくれるだろうか。 「これまでの代表の試合のなかで一番しゃべった試合でしたね。相手に点を決められた時でも、モチベーションをあげるために声を出していたので。そういう意味で、自分の意識も少しずつ変わってきているのかなと思います」 6月3日のブルガリア戦をおえて、清武弘嗣はそう話していた。 「アピールというよりは、自分が引っ張っていかないといけないという立ち位置だし、年齢だし、そういう意味では今日はすごく気合いが入っていましたね」 日本代表で清武が前回先発したのは、3月のアフガニスタン戦だった。田圭佑も香川真司もベンチからスタートするなかで、自身の決めた1ゴールを含め、4ゴールを演出していた。 そして、田の欠場した今回のブルガリア戦では左FWでスタートし、香川が怪我で退いたあ

    清武弘嗣は「代表の中心」になるか。過去最高のしゃべりとチーム意識。(ミムラユウスケ)
  • シメオネ「お前ら、泣くんじゃねえ」。CL決勝、守れなかった最後の命令。(弓削高志)

    「運命だった」 A・マドリーの指揮官ディエゴ・シメオネは、試合後に意外な言葉を吐いた。徹底した実利主義を貫く彼が、まさか運命論者だとは思ってもみなかった。 ミラノで行われた今季の欧州チャンピオンズリーグ決勝で、A・マドリーはPK戦の末に敗れた。11度目の優勝を決めた勝者は、同じ首都マドリードのR・マドリーだ。 今年も欧州を征服したのは、スペイン勢だった。 史上初の“マドリード・ダービー”となった2年前の大会ファイナルも、R・マドリーが延長戦の末に劇的な逆転勝ちを収めた。昨年大会準々決勝での再戦でもレアルに屈したアトレティコにとって、今回のファイナルにかける執念には並々ならぬものがあった。 決戦の舞台は、シメオネとレアル監督のジネディーヌ・ジダンが、セリエAでの現役時代に鎬を削ったカルチョの殿堂“サン・シーロ”。試合の数日前には、レアルのMFベイルが「アトレティコの選手は誰一人としてレアルで

    シメオネ「お前ら、泣くんじゃねえ」。CL決勝、守れなかった最後の命令。(弓削高志)
  • 錦織圭は第5ゲームで何をした?試合の展開を激変させた新戦術。(秋山英宏)

    「格下の相手にもつれた試合をしがち」という錦織のクセが、今大会では全く顔を出していない。期待感は高まる一方だ。 指揮者がオーケストラを思いのままに導くように、錦織圭が指揮棒のひと振りで試合の流れを変えた。世界ランキング40位のアンドレイ・クズネツォフに、6-3、6-3、6-3。わずか1時間48分で、全仏3回戦進出を決めた。 立ち上がりは相手にペースを握られ、1-3とリードを許した。クズネツォフとはこれまでに一度対戦し、途中棄権で敗れている。ただ、それは約6年前のこと。久しぶりの対戦で「様子を見すぎた」という錦織は、相手の得意とする“たたき合い”に付き合ってしまった。 クズネツォフのグラウンドストロークの球質は、回転量の少ないフラット系。これはロシアの男子選手に共通する特徴だ。安定性では順回転のトップスピンに及ばないが、球速が出る。 「自分から打っていなかった」という錦織は、相手のスピードボ

    錦織圭は第5ゲームで何をした?試合の展開を激変させた新戦術。(秋山英宏)
  • 本田圭佑とミラン、最後の“捨て身”。コッパ決勝でファンを沸かせた変貌。(弓削高志)

    仁王立ちだった。 数分前まで放心状態だった田圭佑は、壇上でユベントス主将ブッフォンが優勝トロフィーを掲げる姿を仁王立ちになって見つめていた。自分の首にかけられた準優勝メダルには目もくれない。 21日のコッパ・イタリア決勝戦で、ミランはユベントスに0-1で惜敗した。一縷の望みをかけていたEL出場権獲得もならなかった。 ただし、先発フル出場した田は乾坤一擲のプレーを見せた。そしてこの日に懸けていたのは、田だけではなかった。 矛盾と困惑に満ちたシーズンの最後に、監督ブロッキは戦術最適解を見出し、主将モントリーボら選手たちは、死に物狂いでボールへらいつきながら王者ユベントスを追いつめた。 “勝負をかけたミラン”を見たのは、何年ぶりのことだろう。 荒削りでも、勝利への意志に満ちた4-3-3。 黄昏どきのスタディオ・オリンピコを埋めた約7万人の大観衆は、キックオフの笛と同時に思いがけない光景を

    本田圭佑とミラン、最後の“捨て身”。コッパ決勝でファンを沸かせた変貌。(弓削高志)
  • 1