「ごはんをあげたり、お風呂に入れたりするのがいやになった」。警察への供述から死体遺棄容疑で逮捕された下村早苗容疑者はネグレクトの状態にあったとみられる。児童虐待の死亡事例でネグレクトが占める割合は約2割。専門家は「ネグレクトをする親は、自分もネグレクトされていた可能性が高い」と指摘。「負の連鎖」を断ち切るには、「親への支援も必要」としている。 虐待の死亡事例を検証する厚生労働省の専門委員会の調査によると、平成20年度に虐待によって死亡した67人(心中以外)のうち、ネグレクトは12人(21・4%)だった。このうち6人は生後間もない遺棄で、4人は留守中の火災や車内へ放置していたことによるもの、2人は長期間適切な養育を怠っていたことによるものだった。 花園大の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)は「ネグレクトをする親は何らかの理由で精神的なバランスをを保てなくなり、家の中がごみだらけになるなど日常生活