雑誌『ダ・ヴィンチ』で毎年12月に発表される、本好きたちの総決算「BOOK OF THE YEAR」。女性マンガの首位は2010年以降『君に届け』が守ってきたが、2012年は末次由紀の『ちはやふる』がその地位を奪った。連載開始は2008年。以来、2009年にマンガ大賞、2011年に講談社漫画賞少女部門を受賞するという輝かしい経歴。 ご存知のように、主人公は競技かるたのクイーンを目指す綾瀬千早。かるたの美しく情熱的な世界、千早・太一・新の友情と微妙な三角関係、部活マンガとしての醍醐味などなど、列挙すればきりがないほど多様な要素が盛り込まれ、それらが見事に絡み合い、グイグイと読者を引っ張っていく。現在19巻まで刊行されている長期連載作品だが、物語はマンネリに陥るどころかますます勢いを増している。女性マンガ界に現れた本物のロングランヒットだ。 一方、今後のブレイクが予感されるのが、既刊2巻にして