毎年ノーベル賞発表の時期になると、村上春樹の周辺が騒がしくなる。今年こそノーベル文学賞をとれるのか。多くの人の関心はそこに集中する。今回も受賞を逃したが、村上作品は英語をはじめ多くの言語に翻訳され、世界中で愛読されている。文学だけでなく音楽やポップカルチャーまで英語圏の文化に幅広く精通している村上春樹が書いた作品は、英語との親和性が高い。作品が素直に英訳できる。村上春樹が毎年ノーベル文学賞候補に挙げられる背景はそんな理由もありそうだが、実はその英訳は原文とは違った魅力を放っているのだ。 村上春樹の小説は、なぜ世界中の人々に読まれているのか――これはハルキ文学に興味を持つ人が一番知りたい疑問のひとつだろう。答えは読者の数だけあるが、よく聞かれる意見として「翻訳がしやすい文体だから」というものがある。 たしかに村上春樹の文体は英語の直訳のような文章も多く、読んでいて英訳が頭に浮かんでくることも
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