投資の世界で有力視されている仮説に効率的市場仮説がある。 効率的市場仮説によると市場が新しい投資情報を速やか、かつ適切に織り込むため、リスクが等しい商品のリターンは等しくなる。 成長率が高い企業の株は高く、低い企業の株は安くなるため期待リターンは等しくなると言うのだ。 従って、効率的市場仮説論者は、何を買ってもリターンは同じなのだから、市場全体に投資してリスクを軽減するのが最良の投資法だと主張している。 この説は本当だろうか。検証してみた。 1)1年後にPERが等しくなる場合 利益成長率年20%、10%、0%、-10%の4種類の株があるとする。 現在の1株利益が100円なら、1年後は120円、110円、100円、90円になる。 どの株も1年間のリターンが5%、1年後にPER15になるとすると、それぞれの株の現在価格は下記のようになる。 成長率20%の株は1年後に1800円になるから、現在価