0・36%。県教育委員会が県立図書館、県立川崎図書館の閲覧・貸し出し廃止案を発表してからというもの、この数字が独り歩きしている。県内の公共図書館に占める両館の貸出数の比率だ。二見研一教育局長は「全国的にみても、かなり低い」と評する。 貸出数は、図書館の重要な評価基準とされる。だが、神奈川大の南学教授(地方自治)は「50年以上前から意識が変わっていない」と指摘する。 貸し出しに偏重することは、図書館が堅いイメージを脱し、より気軽な読書や情報収集の場へと変わりつつあった半世紀以上前であれば、一定の意味を持った。 しかしその後、貸出数を稼ぐために同じベストセラー小説を何冊も購入するような手法が「無料貸本屋」と批判されたこともある。 図書館の評価軸は貸し出しの多寡だけではない。南教授は、来館者数を重視する。「貸し出しだけを突き詰めると、本の宅配サービスさえあればいいことになる。図書館には空