今から70年前の夏、日本とドイツはともに第二次世界大戦に破れ、主要な都市は連合軍の爆撃によって焦土と化していた。どちらの国も、勤勉さと物づくりに強い土壌を生かして奇跡的な経済復興を果たし、世界経済の中で重要な役割を演じる大国となった。 だが、敗戦から70年目の今年、2つの国が置かれた政治的な状況は大きく異なる。ドイツは欧州連合(EU)の中で事実上のリーダーだ。債務危機で意見の対立が尖鋭化したギリシャを除けば、ドイツは第二次世界大戦でナチス・ドイツが被害を与えた国から、一定の信頼を回復することに成功した。ウクライナ危機をきっかけに、ロシアとEUとの間の関係が悪化する中、ドイツに対してはバルト三国やポーランドから安全保障の面でも現在より大きな役割を果たすよう期待が寄せられている。