長崎県対馬市から盗まれ、その後、韓国で見つかった仏像が、「中世に日本側に略奪されたものだ」という訴えを受けて返還されていない問題で、韓国文化財庁は「略奪されたと断定するのは困難」という調査結果を出していたことが分かりました。これを踏まえて、韓国の検察が返還を巡ってどのような判断をするか注目されます。 この仏像を巡っては、韓国の寺の信者らが「もともと倭寇に略奪されたものだ」と訴え、韓国の裁判所が2013年2月に返還を差し止める仮処分を決定しています。 韓国の法律では、仮処分から3年間、裁判が起こされなければ、検察などが裁判所に対して処分の取り消しを申請することができますが、3年が過ぎた現在も、そうした申請が行われていません。 「観世音菩薩坐像」について、NHKは、韓国の情報公開制度に基づき、韓国文化財庁が検察からの依頼でまとめた調査報告書を入手しました。この中で、韓国文化財庁は「倭寇に略奪さ