■はじめに最近、永青文庫で開催されている「春画展」 を観る機会がありました。 世界が、先に驚いた。SHUNGA 春画展 春画は、海外で絶賛され、印象派の画家たちにも大きな影響を与えたといわれている日本芸術文化の一分野です。2013年大英博物館で開催された同じ春画の展覧会でも、その色合いや構図の見事さに高い評価が下されたのでした。 永青文庫永青文庫の会場に行って驚いたのは、場内を埋め尽くす来場者の多さでしたが、それのみならず、私の印象ではその4割ほどが20代から30代の若い女性であったことでした。展示されている春画は、どれも人間の自然な営みである「性」を直接の主題とするものであって、男女の性器やその交合部分がデフォルメされ、あるいは写実的・直接的に表現されたものばかりです。おそらく以前ならば、このように〈性を直接表現したもの〉の多くは刑法175条(わいせつ図画公然陳列罪)に該当するという評価