東京電力による原発事故が起きて以来、一億総原発評論家状態と化している感があります。そこで、私もそれに便乗して記事を書いてみたいと思います。今回は、原子力発電所のリスク認知を巡る問題を心理学的視点から考えてみます。仁平義明編「防災の心理学」(東信堂)より引用します。 「防災の心理学」p.52より引用 -------------引用開始------------------------------- 原子力施設が自分の居住する近所に建設されるとした場合、平常時であっても多くの市民が想像し危惧するのは、やはりチェルノブイリ事故に類する大事故であろう。「安全だといくら説明されても万一事故が起こったときのことを考えると恐ろしくて安心できない。」という感覚の持ち主が大多数であるように思われる。 村上陽一郎氏は著書「安全学」(村上 1999)の中で: 『仮にわれわれの生活を支える(したがって利便性や快適性