ニューヨークのラルフローレンの象徴がなくなってしまったような印象を受けるかもしれないが、決してそういうわけではない。長い歴史を持つマディソンアベニュー867番地のメンズの旗艦店、同888番地のウィメンズの旗艦店は健在で、単純に3年前の状態に戻っただけともいえる。 決算も2期連続の減収減益とはいえ、日本の大手アパレル企業と比べれば、十分すぎるくらいの利益を生み出している。しかし、アメトラの象徴として君臨してきたラルフローレンの将来に、暗雲が立ちこめてきているのは紛れもない事実である。 アスレジャーに乗り遅れたワケ ラルフローレンが苦戦している理由は、大きく3つある。1つは、世の中のトレンドと商品が合っていないことだ。ラルフローレンは、アメトラに古き良き時代のイギリスのテイストを加えることで、豊かなライフスタイルを連想させる唯一無二の世界観を築き上げた。最新のモードを提案するのではなく、確固た