作家であり、金融評論家、社会評論家と多彩な顔を持つ橘玲氏が自身の集大成ともいえる書籍『幸福の「資本」論』を発刊。よく語られるものの、実は非常にあいまいな概念だった「幸福な人生」について、“3つの資本”をキーとして定義づけ、「今の日本でいかに幸福に生きていくか?」を追求していく連載。今回は「仕事と幸福度」について考える。 ● 日系企業は欧米企業の人材供給源と化している 現代社会の特徴を知識社会化・グローバル化・リベラル化の三位一体構造ととらえると、(グローバル化の起点となった)1990年代になって日本企業がなぜ世界での競争から脱落しはじめたのかもわかります。 そもそも日本的な雇用制度では、「本社採用」「現地採用」という言葉に象徴されるように「ジャパニーズファースト」が当然とされ、国籍の異なる人材を平等に扱うことができません。現地採用の社員が本社に異動することはないし、現地法人のトップや幹部は