沖有人 不動産コンサルタント 1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立、代表取締役に就任。/ この著者の記事を見る
久保利英明弁護士(日比谷パーク法律事務所代表)は、企業のガバナンス問題やコンプライアンス問題で警鐘を鳴らしてきたビジネス弁護士の大御所。その久保利氏が、福島第1原子力発電所の事故によって強制避難や農蓄産物に大きな損害を受けた生産者・流通業者側の代理人となった。 なぜ企業を守る側のプロが東京電力相手の代理人になったのか。今回の原発事故について緊急出版した『想定外シナリオと危機管理――東電会見の失敗と教訓』(商事法務)についても話を聞いた。(聞き手は、黒沢正俊=出版局主任編集委員) ―― 福島第1原子力発電所の事故を受け、本を緊急出版されました。その理由は何ですか。 久保利:福島原発の事故について新聞・雑誌を丹念に調べた結果、恐ろしいことが2つ分かった。1つは原子力発電所というのは思っていた以上はるかに恐ろしいということ。もう1つは東京電力がまともな会社だと思っていたけど、全然まともじゃなかっ
口上 遙かWEBの彼方では御座りまするが御免を蒙りまして、口上をもって申し上げ奉りまする。まずもってオフィスのPCで仕事のフリをなさりながら当欄をご覧下さります、いずれの様に置かせられましては、益々ご健勝の体と拝察いたし、心よりお喜びを申し上げまする次第にござりまする。 私、フェルディナント・ヤマグチで御座いまする。 さて、2009年5月29日より始まりましたる当「走りながら考える」。 死ねのヤメロの日経に相応しくないのと轟々たる非難にも負けず、この度目出度く連載100回目を迎えることと相成りまして御座りまする。毎度のアクセスランキングでは常に1、2を争う好順位を頂戴し、かくも賑々しくご見物を賜りますことは、私はもとより日経BP座中一党いかばかりか、ありがたき幸せと厚く厚ぅく御礼を申し上げ奉りまする次第にて御座りまする。 この度第100回特別記念スーパーゴールデンスペシャルロイヤルプレミア
暑い。 エアコンの起動を半ば封印されている今年の夏の暑さは、また格別だ。 東電の「でんき予報」をアタマから信じ込んでいるわけではない。若干疑っている。なにより、棒グラフという形式がうさんくさいと思っている。何も信じられない。日付さえ。 「でんき予報のホームページだと今日は水曜日になってるけど本当だろうか?」 「さあな。陰謀かも知れないぞ」 東電は、今後30年ほど、何を言っても疑われる。そこのところは覚悟してもらわないといけない。 「東京電力です。検針に参りました」 「ほほう、メーターに盗聴器を仕込むつもりだな?」 直接顧客と対面する部門の社員さんは大変だと思う。恨みは経営陣にぶつけてほしい。ぜひ。 東電情報の信頼性はともかく、野放図にエアコンを回すことには、やはり抵抗がある。日中、一人でいる時は、特にそうだ。自分一人のために、全空間を冷やすのだと思うと、どうしても気がひけるのだ。自分がこん
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 4月15日付けで東京電力は福島第一原子力発電所事故に関する、詳細で分かりやすいまとめを発表しました。 今、これをご覧になって疑問に思われることがいろいろおありかもしれませんが、コラムでは前回、今回と流れに沿ってお話をしています。単発のご質問などは、前回同様、私のツイッターに直接いただければお答えできるものがあると思います。 さて、ここに記されたデータ、例えば数値は、基本的にすべて正確を期して記されていると思ってよいと思います。もちろん測定値には誤差がつきものですが、意図的に数値を変化させるということはないと思います。逆に、これはいかがなものか、と思う部分も率直にあります。 例えば、上にリンクした資料3ページと8ページには原子炉の概念図が描かれ
京都大学の入学試験中に、問題の一部をインターネットの質問サイトに書き込んでいた受験生が逮捕された。 山形県出身の19歳の予備校生だという。 当件は、ニュースショーのコメンテーターが述べていたように「ハイテク犯罪」と捉えるべき事案なのであろうか。 違うと思う。 凡庸なカンニング事件だ。ハイテクどころか、犯行の手口の随所に粗雑さが露呈している。 スマートフォンもインターネットも、いまどきの受験生にとっては、日常のツールに過ぎない。われら中高年にとってさえ、携帯とネットは既に生活の前提だ。とすれば、靴を履いた人間による犯罪をわざわざ「靴犯罪」と呼ばないのと同じく、インターネットを使った犯罪をあえて「インターネット犯罪」と呼ぶ必然性は、もはや消滅したと考えるべきだ。同様にして、携帯電話を駆使した事件を「ハイテク犯罪」として特別視する理由も無い。 今回は、「ヤフー知恵袋」を利用した不正入試疑惑と、鹿
「フェイスブック元年」 日本ではそう言われているらしいが、こちらニューヨークでは、もう完全な「インフラ」になってしまった。 初対面の人と会って、「また連絡を取りたい!」と思ったら、メールアドレスを聞くのではなくて、まずフェイスブックにアカウントがあるのか確認する。 マンハッタンの地下鉄や、スタンドで売っている雑誌の企業広告でも、企業が記載しているのは、もう自社のウェブサイトではなく、フェイスブックのファンページだ。 フェイスブック追撃の新メディア続々 最近では送受信するメールの数がめっきり減ってしまった。逆に、フェイスブックのメッセージは増え続けている。人を集めてパーティー!と思ったら、マスメール送信なんてやらない。フェイスブックでシェアした方が、よっぽど効果的に人が動員できる。 ニューヨーカーは「インフラ化」したフェイスブックが当たり前の存在となって、飽きてきている。 「次に面白いものは
2月7日月曜日、日本ツイッター学会(会長・樋渡啓祐さん、 @hiwa1118 )の主催するフェイスブック講習会が、佐賀県西部に位置する武雄市の市庁舎で開催された。 講師は、福岡からふじかわようこさん( @neboichiyouko )と杉山隆志さん( @takaflight )、東京から加藤たけしさん( @takeshi_kato )、そしてニューヨークからヒミ*オカジマさん( @himiokajima )。いずれも手弁当での参加だ。聴講者は武雄市内外、佐賀県内外から老若男女約160名が集った。行政色の強いイベントには珍しく、学生の姿も目立ち、会は大いに盛り上がった。 主催者からは、日本フェイスブック学会の設立が宣言された。会長は樋渡さんが兼務する。この樋渡さんは、佐賀県武雄市の市長でもある。 「僕がフェイスブック学会の設立を発表すると、場内は大爆笑でした。ツイッターに続いて『またか』と思
日本や欧米の企業が最先端と言われてきた環境技術(クリーンテック)の分野で、中国メーカーが存在感を増している――。そう聞いて耳を疑う人も少なくないだろう。 だが、紛れもない事実なのだ。中国メーカーは巨大市場を背景に経済成長し、したたかに欧米や日本の技術を吸収しながら、着実に環境分野で進化を遂げている。世界を席巻した「世界の工場」は、もはや安価な労働力による低価格製品ばかり作っているのではない。 「日経ビジネス」2011年1月31日号の特集「急速浮上!中国エコカンパニー」では、そんな中国企業の実力の一端を紹介した。 このコラムでは、経営幹部のインタビューも交えながら、新世代・中国メーカーの戦略に迫る。 最初に取り上げるのは太陽電池メーカーである。今や世界市場シェアの上位には中国メーカーが何社も食い込むほど存在感を増している。中でも注目されているのが、セル生産量で世界トップシェアに立ったJAソー
久保田 46歳の時ですから、32年前です。テレビを見たのがきっかけです。 ―― それは、ランニングの番組か何かですか。 久保田 いえ、違います。私自身が出演した番組です。サルの脳に関するテレビ番組に出演したのですが、その放送を見て愕然としたんです。画面に映る私の姿が、あまりに太っていたからです。 ―― テレビは太って映ると言いますからね。 久保田 それにしたってこれはひどいと我ながら思いました。その日のうちにランニングシューズを買いに行き、以来、走り続けています。 ―― ものすごい行動力ですね。体に変化はありましたか? 久保田 83.5kgあった体重は、走り始めてからしばらくして20kg近く減りました。 ―― 20kgも! 久保田 そこで、面白いことに気付いたんです。走り出したばかりの頃は、「走ったらお腹がすいて、前よりもっと食べたくなるのでは」と心配していました。ところが、まったくそんな
湯本 優(ゆもと ゆう)氏 メディカル&スタイル代表。プロアスリート、スポーツメディカルアドバイザー。医師免許を持つ。マウンテンバイクやXTERRA(エクステラ)の日本代表、日本チャンピオンを経て、現在はスポーツを通じた健康的なライフスタイルの普及に尽力。各種健康プログラム監修・コンサルティングやスポーツ・健康をテーマにした講演などを行っている。また、一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事として世界最大の寄付仲介サイト「JustGiving」の日本進出を手伝う。このほか、自転車関連のNicole Eurocycle(東京都港区)やフィットネスクラブ関連のBEACH TOWN(横浜市)で取締役を務める。 (写真:的野弘路)
「連載を読んだだけでしゃべれるようになるなんて、本当なの?」と思うかもしれません。ご心配には及びません。その理由は今までの英語学習法と決定的に違うからです。学ぶというより、今、自分の中にある英語力を掘り起こす、と言った方が近いのです。 これまでの学習法と決定的に違う この連載は、読者のみなさんが英語をしゃべれるようになるようを一気に導くものです。「連載を読み終えた瞬間からぺらぺらしゃべれるようになるのか?」と聞かれたら、それは違います。ある程度の努力をしていただかないといけません。でも、その努力がこれまでの英語学習法と違って「最低限」で「楽」なのです。話す力を身につけるのにそれほど時間はかかりません。 「そんなことは信じられないよ。」と思う方がいらっしゃるでしょう。「これまで多くの英語学習方法が、長い年月の間、紹介されてきた。自分はそれを試してきた。でもうまくなれなかった。おまえの新しい方
国の過疎集落研究会の報告によると、全国には6万2000もの過疎集落が存在している。そのうち、10年以内に2600集落が消滅する可能性があるという。「古老が1人なくなることは図書館が1つ消えること」。アフリカの古い言い伝えにあるように、それぞれの風土に寄り添い、作り上げてきた生活の知恵や文化が消え去ろうとしている。 瀬戸際に立つ辺境。だが、時代に抗い、輝く人々は現実にいる。東京農工大の客員教授、福井隆氏はこういった“辺境で輝く人々”を目の当たりにしてきた。 福井氏は年間250日以上、過疎集落に足を運ぶ「地元学」の実践者。これまで7年間、100カ所以上の現場で地域づくりの支援をしている。「地元学」とは、無い物ねだりではなく、今あるもので何ができるかを考える。そのプロセスを通して地域を元気にしていく学問である。 多くの地域は「ここには何もない」と誇りを失っている。だが、それぞれの足元を見つめ直す
日経ビジネス2010年9月6日号では「スマートシティ~40兆ドルの都市創造産業」を特集。誕生したばかりの巨大産業に挑む世界各国の企業の姿を追った。だが、この新産業へ挑むのは企業ばかりではない。環境都市として世界に名を馳せる北九州市も、その1つだ。 北九州市は、日本初の国営製鉄所である新日鉄八幡製鉄所などを擁す、九州屈指の工業地帯にある。高度経済成長期には、「煤煙の街」と言われるほどの深刻な公害に悩まされた。 公害克服の経験と、世界に先駆けて稼働させたリサイクル企業集積地「北九州エコタウン」に、中国などアジア諸国は熱視線を送る。昨年12月には、中国次期国家主席の最有力候補と目される習近平・国家副主席が駆けつけたほどだ。 その北九州市が次なるターゲットに照準を定めたのが、スマートシティの輸出だ。北九州市で環境行政のキーパーソンである松岡俊和・環境局環境モデル都市担当理事に、北九州市の“ビジネス
日本の経済社会のこれからの長い将来を展望した時、もっとも大きな問題が人口問題だということについては多くの人が同意するでしょう。 では、人口変化はなぜ問題となるのでしょうか。そしてそれにどう対応すべきなのでしょうか。ここではこうした問題を「人口オーナス」という概念を使って考えてみることにします。この概念を使うと、人口問題についていくつかの新しい常識が浮かび上がるとともに、この人口オーナスこそが日本経済の長期的課題の原因だということが分かってくると思います。 人口オーナスとは何か? 読者の皆さんは「人口オーナス」とは聞き慣れない言葉だと思うでしょう。これは「人口ボーナス」という概念の逆の概念として出てきたものです。 人口ボーナス・オーナスという考え方は、従属人口指数という概念を使って説明するのが便利です。人口は「生産年齢人口」と「従属人口」に分かれます。生産年齢人口は、15歳から64歳であり、
「部下がなかなか仕事を覚えない」 「どうしても結果を出せない部下がいる」 「仕事についていけないとすぐに辞めてしまう」…。 ここ数年、部下のマネジメントに関する悩みを耳にする機会がとても増えました。 話をうかがってみると、皆さん実に熱意あふれるリーダーばかりです。 自社が提供している製品やサービスに対して深い愛着を持っていて、会社のために貢献したいという思いも非常に強い。 そして何より部下のことを考え、育てたいと思い、課せられた目標を達成するために部下を叱咤激励しつつ、「彼らには充実感を持って、いきいきと働いてもらいたい」と心の底から願っています。 にも関わらず、自分が思うように部下は育ってくれない…。 部下が育たないのは、リーダー側に責任がある そんなとき、脳裏には次のような思いがよぎるようです。 「こんなに教えているのに、なぜ部下たちは理解しないのか」 「仕事が出来ないのは、彼らに“し
人類はこの1万年というもの加速しながら、そして今この瞬間も、生物として進化し続けている。これがこの本の骨子である。 他の生物同様、人類も長い年月をかけて進化してきた。猿人から原人、ネアンデルタール(旧人)、そして現在の我々(現生人類)へ。この間、骨格や脳の大きさなどの体格面とともに、「道具や火の使用・言葉の獲得・死者の埋葬」といった行動面、思考面でも大きな変化があった。 といっても、中にはこう思っている人も多いかもしれない。 「生物の進化というのは、とても長いスパンで起きるものだ。人間がそれらしくなってからせいぜい5万年。石器時代も今も、使う道具が違うだけで人の中身は変わらない」と。 これはつまり石器時代の赤ん坊を現代に連れてきても、ちゃんとした現代人に育つということだ。しかし、この本は遺伝学の立場からその見解に異を唱える。 「現代人は、古代エジプトの人間と比べてもかなり違った生物になって
日本の財務省やマスコミ、評論家、それに政治家などは、好んで「国の借金」という用語を使用する。その割に、彼らはバランスシート(貸借対照表)について全く理解していないわけだから、実際、困ったものである。 借金とは「人から借り入れた財産」を意味し、バランスシートの負債項目に計上されるべきものだ。「国の借金! 国の借金!」などと騒ぎ立てるのであれば、常識としてバランスシートについて理解していなければならないはずだが、現実はどうも違うようだ。 誰かの負債は、誰かの資産 今回は、まずは2つの「原則」をご紹介したい。 1つ目は「この世の誰も覆せない絶対原則」。資産と負債の関係についてである。 ◆原則1:誰かの負債は、誰かの資産。誰かの資産は、誰かの負債 誰かがお金を借りているのであれば、誰かが貸している。誰かが貸してくれない限り、誰もお金を借りることはできない。当たり前である。 ところが、マスコミなどで
高原 この本は韓国や中国に滞在していたとき書いたのですが、外からみていると日本が異様に感じられたんです。若者にかぎらず、日本人は何でみんなこんなに「自分がかわいそう」だと思っているのかなと。 韓国や中国からすれば「うらやましい!」と思うであろう人びとが、互いに被害者意識をもって言い争っている。だけど、じゃあ政治や経済をどうするのか、という積極的な構想はまったく出てこない。それが「閉塞感」を生んでいます。 じつは自分でも、この被害者意識は分かるんです。本にそういうことを書きたくなかっただけで(笑)。書くなら「何でそうなってしまっているのか」を自分なりにまとめたかった。それがこの本ですね。 ―― 分かる、というのは、30代のご自身の世代経験としてですか? 高原さんは34歳、いわゆるロスジェネ世代ですね。
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