どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 「食品が危ない!」ブームが再燃してきたようだ。「食品の安全性が落ちている」というような、実体のある話でなく、食をめぐる空騒ぎ。いったい何度目のブームだろうか。偽装表示問題も大きなきっかけとなったのだろう。「成形肉には食品添加物が使われていて、知らないうちに大量に食べさせられている」「やっぱり食品業者はあくどい。どうせ、なんでも偽装だろう」というようなロジックが目立つ。 その科学的な誤りを指摘していたらきりがないのだが、総じてやっぱり、その批判論法はお粗末すぎる。さすがに、新聞やテレビでは、そこまで非科学的な話は通用しないように