爽やかな田舎の風景だとか、ひと夏の恋や冒険、心胆凍る恐怖夜話など、夏を感じる、夏を味わう作品を選んだ。読むとアツくなるやつも混ざっているのでご注意を。 まず、夏といえば夏休み。だから「よつばと!」(あずまきよひこ)。学生じゃない身分になって幾年月。子どもが、「もうすぐ夏休みだー」などと指折り数えていると、「チッ」と舌打ちのひとつもしたくなるもの。あれだけ沢山の入道雲を眺め、あれだけ沢山のセミとりをしたにもかかわらず、キラキラとした思い出は欠片ぐらいしか残っていない。それを1000倍ぐらい拡大したのがこれ。天真爛漫の「よつば」が、周りを巻き込む無茶ぶりに、文字どおりハラ抱えて笑う。と同時に、帯のキャッチコピー「いつでも今日が、いちばん楽しい日」が胸をアツくする。夏休みを生きなおすような気分になる傑作。 次に、夏といえば観鈴ちん(異論却下)。だから「Air」(桂遊生丸)。ゲームのみならず、TV
ミステリでいうところの「館モノ」「吹雪の山荘モノ」というと、ふつう容疑者は建物内の、まぁ、多くて10人いるかいないかぐらいなんですけど、まぁ、これ、あらすじ見てください。 大富豪の館でメイドとして働く妹に頼まれ、名探偵・西園寺とその館にかけつけた神尾は、奇妙な殺人事件に遭遇する。衆人環視下、謎の方法で館の主が殴り殺され、容疑者は、なんと館を訪れていた計百人!誰もかれもが疑わしい!?しかも外界に通じる唯一の道である橋が爆破され、閉鎖空間内で次々事件が…。鬼才があなたに“本格ミステリ”の意味を問う、驚愕の最新作。 容疑者100人。 で、巻頭の「登場人物一覧」に律儀に100人の名前と属性(親族とか職業とか)が書いてある。総ページすう6ページにもわたる登場人物一覧!親族20人以上!使用人30人以上!お笑い芸人、元プロ野球選手、オーケストラの楽団員、タクシー運転手、住職、主婦、無職まで、全部名前がつ
俵万智自身、初体験となった、一年半にわたる短歌のマンツーマン・レッスン。短歌初体験の一青窈が俵門下生となり、だんだんと上手くなっていく―。画期的な短歌入門書。穂村弘を迎えた吟行会も掲載。 対談 俵万智×一青窈―「短歌の作り方を教えてください」 往復書簡メール 実作レッスン(まずは五七五七七に―短歌の種の見つけ方 楽しみながら推敲を 日常を詠う―消えてゆく一瞬を永遠のスナップに ポルトガル便り―一語変えれば変化が生まれる 名詞止めは一首に一度 初句ができない―心の宿題に コミカルな短歌 定型という皿 字余りでもオッケー 駄洒落も立派なことば遊び 五七五七七に言葉をカッティング) 特別吟行会 俵万智・一青窈・ゲスト/穂村弘 題詠歌会 俵万智・一青窈・ゲスト/斉藤斎藤
他人の会話ってどうしてこんなにおもしろいのでしょう おすすめ度 三省堂書店 成城店 (東京都世田谷区) 短歌・エッセイなどで活躍する穂村弘さんが街で聞こえてくる気になる会話の断片を拾い上げた一冊。誰もが喫茶店・電車などで「こんな会話、あるある」と思いつつも、いざ穂村さんのツッコミが入るとニヤッとしてしまいます。穂村さんの本はいい感じで力の抜けたようなタイトルが多いですが、この本は『絶叫委員会』ということで入荷したときは異彩を放っていました。出不精の方や人ごみが嫌いな方、これを読めば少しはお出かけが楽しみになるかも知れませんので、読んでいただきたいです。(ミシマ社『THE BOOKS』より転載) (2013年3月15日)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く