前編につづいての後編です。いま国の審議会や文科省内では、「令和の日本型学校教育の構築」という掛け声のもと「教育改革」が進められようとしています。今後の方向性を決めていく重要な提言である、中教審(中央教育審議会)の中間まとめは、非常に重要な提案もたくさん含んでいますが、危ういところや問題点もたくさんある、とわたしは見ています。 前編では抽象的な概念(バズワードかそれに類するもの)を持ち出して、煙に巻く戦術が広がっている、それで学校現場はまた振り回されるのではないか、ということを指摘しました。 (筆者撮影)■副作用についての検討が甘い 第二の問題は、そうした曖昧な概念のもと、負の影響や副作用について、慎重な検討が十分なされているようには見えないことです。 たとえば、前編でも問題を指摘した「個別最適な学び」については、孤立した学びにならないようにという言及はあり、これは重要な指摘です。ですが、「