ここ2~3年,電子政府/電子自治体を含む行政サービスにおいて,“住民視点”であるとか“利用者ニーズ”といった言葉がよく聞かれるようになってきた。サービスの提供側である政府や自治体からこうした言葉が出てくるのは歓迎すべき傾向だが,実際に“住民視点”に立ったサービスがどの程度行われているかといえば,どうにも心許ない。 先日,各種の電子政府ランキングで常に上位に名を連ねるカナダの取り組みについて,前サービス・カナダ長官のマリーアントネット・フルミアン氏にインタビューする機会を得た。 サービス・カナダとは,2005年にサービスを開始した連邦機関だ。「社会保障や行政サービスに対するニーズの違いを基に,国民をいくつかのグループ(高齢者,障害者,家族・児童,学生など)に分けて,そのグループごとに提供するサービスを再編」して,「税金を除く政府,地方公共団体すべての公的サービスに対応」している(注)組織であ
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