Suicaデザインプロジェクトの挑戦−Leading Edge Design山中俊治氏インタビュー(4) 2006年10月12日 page:1/1 人にやさしいITプロダクトを考える時に大切なことは、モノと人が接した時に発生する不確定要素の解決である。経験やフィジカルな能力の違い、ある種のローカリティの差異。そうした課題をまず精査して、そのソリューションを見出すことが必要なのだ。「ハードのデザインは、CADで充分」。そんな安易なデザイン発想が、ユニバーサルデザインやキッズデザインの大切さを見落させてきた温床なのだ。 実は、今でこそ普及したSuicaだが、1996年当時、JRの重役たちの間では、「Suicaは3割打者だ」と揶揄され、そのプロジェクトはほとんどつぶれかかっていたのである。3割打者とは、カードが3回に1回ぐらいしかリーダーに反応しない、これでは使えない、という喩えである。この問