今年の初夏の頃のことです。 私は近所の畑を借りてちいさな家庭菜園をしています。 仕事のお休みの日曜日、まだ暑くならない早朝に、畑に行ってきゅうりや トマトにナスなどの成長を楽しみながら追肥や水やりをしていました。 私がここの畑を借りて野菜作りを始めたのはもう10年以上前です。 そこへ畑の持ち主であるお婆さんがやってきて私に話しかけました。 彼女とは長い付き合いで、今まで野菜作りについて色々教えてくれました。 お陰で毎年美味しい野菜が作れるようになりました。 そんな彼女ですが、その時はいつもとは違って、とても深刻そうで暗い顔を していました。 彼女の話しを聞いてみると、先日、遠く離れて生活している息子夫婦が 家に来て、ひとり暮らしをしている彼女のことが心配だと言ったそうです。 彼女はまだまだ元気なようですが、75歳をとっくの昔に越えていました。 それで息子は彼女にそろそろ老人施設に入ることを